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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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取り組み方町内会は役所の下請けか、住民の声の窓口か

町内会の役員になると、市役所の広報誌を配ったり、市から頼まれた委員を推薦したりする仕事が回ってきます。こうした仕事は「行政協力業務」と呼ばれ、町内会が「役所の下請け」と言われる理由になっています。一方で、町内会は道路や街灯の修理などの要望を地域としてまとめ、役所に届ける窓口でもあります。この記事では、総務省の研究会報告書と市役所の資料をもとに、町内会と市町村役場の関係を、頼まれる側と届ける側の両方から見ていきます。役員の負担の重さも、町内会に入る意味も、この関係のあり方で大きく変わるからです。

役所が町内会に頼んでいること

総務省の「地域コミュニティに関する研究会」が2022年4月にまとめた報告書は、研究者の調査をもとに、2008年と2020年の行政協力業務を比べています(522市区が対象)。どちらの年も8〜9割の市区が町内会に頼んでいた「コア業務」は、急ぎの情報の伝達、寄付金や募金の取りまとめ、地区の要望の取り次ぎ、定期の広報物の配布でした。 12年の間に増えた仕事もあります。行政が任命する委員の推薦は67.8%から83.5%へ、防災対策は62.6%から75.3%へ、高齢者の見守りは46.9%から62.3%へ増えました。減ったのは、ごみの分別・資源物の回収(69.3%から60.5%)や防犯活動(60.2%から57.9%)などです。報告書は、全体として大きな変化はなく、むしろ増える傾向もうかがえるとしています。頼んでくるのは市町村だけでなく、国や都道府県、警察、消防、学校、社会福祉協議会などにも及ぶとされます。

広報誌の配布と行政連絡員

広報誌の配布は、行政協力業務の代表例です。総務省が2022年2月に示した調査結果では、月1〜2回の広報誌の配布を町内会に頼んでいる市区町村は1,328団体ありました。このうちお金を払って頼んでいるのが1,072団体、無償で頼んでいるのが264団体です。委託料として払う場合、1世帯あたりの年額の中央値は766円でした。業者に各戸への投げ込み(ポスティング)を頼む場合の中央値は273円です。 市町村によっては、町内会の役員とは別に、行政との連絡役を個人に委嘱しています。京都市の「市政協力委員」がその例です。京都市の案内(2020年度版)によると、任期は1年で、50〜100世帯ほどを受け持ち、月2回の市民しんぶんや選挙公報を配り、広報板にポスターを貼ります。市は受け持ち世帯数に応じて経費を払い、町内会に入っているかどうかにかかわらず全世帯に配るよう求めています。 こうした連絡役は、かつて「区長」などの名前で特別職の非常勤職員として任用されることもありました。2020年4月の地方公務員法改正で任用の要件が厳しくなったため、業務の委託や謝金の支払いに切り替える動きがあると、研究会報告書は記しています。

補助金とごみ集積所

お金の流れは、役所から町内会への一方通行ではありません。研究会報告書によると、1,349の市区町村が、あわせて12万7,930の自治会などに補助金などを出していました。世帯数などをもとに、使い道を広く認める交付金として渡している市町村が多いとみられています。 ごみ集積所(ごみステーション)の管理も、多くの地域で町内会の仕事です。たとえば静岡市の「ごみ集積所の設置及び管理に関する要綱」では、集積所を設けるのは自治会や町内会、共同住宅の所有者などで、設けた者が管理の責任を負い、集積所とその周りを清潔に保つこととされています。掃除当番が町内会の中で回ってくるのは、こうした決まりがあるためです。

「下請け」という見方

研究会報告書は、市町村と町内会は本来対等であるべきなのに、実際には町内会が行政の下請けのような立場になっているという指摘を紹介しています。住民は受け身で参加させられていると感じ、役員に仕事が集まることが、負担感や担い手不足に拍車をかけているという内容です。特に重く感じられるものとして、委員の推薦、募金集め、広報物の配布と回収、会議への出席、行事への動員などが挙がっています。 市町村の側も手を打ち始めています。同じ調査では、負担を減らす取り組みをしていると答えた市区町村が1,111団体ありました。広報誌を市が直接配る(276団体)、委員の推薦依頼を見直す(197団体)、窓口を一本化する(328団体)などです。ごみステーションの清掃や広報誌の配布をシルバー人材センターに任せた市もあります。報告書は、こうした個別の工夫にとどまらず、頼んでいる仕事を役所全体で洗い出す「棚卸し」を、少なくとも年1回は行うよう求めています。

住民の声を届ける窓口でもある

町内会は、頼まれた仕事をこなすだけの組織ではありません。先に見たコア業務には「地区の要望の取り次ぎ」が含まれています。京都市も、市政協力委員の役割として、住民の要望を行政に届けることを挙げています。総務省の2024年の調査では、2018年度から2022年度までに認可を受けた認可地縁団体の16.0%が、規約の目的に「行政機関に対する要望、陳情等」を掲げていました。 京都市の案内は、広報誌の配布そのものも、声をかけ合う地域づくりのきっかけとして位置づけています。配る仕事が負担になるか、住民と顔を合わせる機会になるかは、受け止め方によって変わります。なお、街灯やカーブミラーの設置などを個人で頼む場合と町内会として頼む場合とで、役所の扱いが違うのかどうかを示す全国的な資料は、確認できませんでした。

考えるための問い

  • あなたの町内会が市町村から頼まれている仕事を書き出すと、いくつありますか。その中に、町内会でなくてもできる仕事はありますか。
  • 広報誌の配布や委員の推薦について、市町村からお金が出ているか、いくらかを、会員は知っていますか。
  • この数年で、町内会としてまとめて役所に届けた要望はありますか。それは聞き入れられましたか。
浜区の場合はどうか、考えてみてください。

出典

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