泉南市 浜区文書アーカイブver0.93ver0.91

町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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取り組み方町内会の名簿と個人情報 見守りとの両立を考える

町内会で名簿を作り直そうとすると、「個人情報だから集めないほうがいい」という声と、「災害のとき、誰がどこに住んでいるか分からなければ助けに行けない」という声がぶつかることがあります。2017年からは町内会も個人情報保護法の決まりを守る側になり、市町村から「避難行動要支援者名簿」を受け取る町内会もあります。国の資料と法律の条文から、名簿を集める、配る、しまう、捨てる場面で何が求められているかを確かめ、見守りとの両立を考える材料を並べます。

2017年から町内会も法律の対象に

鹿児島市の案内によると、改正された個人情報保護法の全面施行により、2017年5月30日から小規模の事業者も法律の対象になりました。それまでは、保有する個人情報が5,000人分以下の企業や団体は対象外でした。改正後は自治会や同窓会も含まれます。 個人情報保護委員会(個人情報の扱いを監督する国の機関)のハンドブックは、会員名簿を事業に使っていれば、自治会、町内会、PTA、マンション管理組合なども「個人情報取扱事業者」に当たると説明しています。ここでいう「事業」は、一定の目的で繰り返し続けて行う活動のことで、もうけを出すかどうかは問いません。同じ委員会のよくある質問は、町内会などは利用目的を本人に示したうえで個人情報を集め、名簿を作ることができると答えています。法律の対象になったことは、名簿を作れなくなったことを意味しません。

集める、しまう、配るときの手順

ハンドブック(2023年12月版)は、名簿づくりを段階に分けて説明しています。
  • 集める前:何のために、どんな情報を、どう使うかという利用目的を決めます。会員に配るなら、「総会の通知や災害時の緊急連絡のために名簿を作り、載っている会員に配る」のように、全員に配る理由まで具体的に決めておくよう勧めています。
  • 集めるとき:記入用紙に利用目的を書いておくなどして、本人に目的を示します。家族の情報を聞く場合は、その家族にも目的を知らせる必要があります。病歴や障害の有無のような「要配慮個人情報」を聞くときは、前もって本人の同意が要ります。
  • しまっておくとき:紙なら鍵のかかる引き出しに入れ、パソコンならセキュリティ対策ソフトを入れるといった安全管理をします。役員は法律上の「従業者」に当たると考えられ、名簿を扱う役員を監督することも求められます。
  • 配るとき:会員に名簿を配ることは、載っている本人以外の人に渡すことになるので、原則として前もって本人の同意が必要です。渡したときは「いつ、誰の、どんな情報を、誰に」渡したかを記録します。
同意の取り方について、ハンドブックは書面でなくてもよいとしつつ、記録が残っているほうがもめごとを防げるとしています。同意しない会員がいれば、その人の欄を塗りつぶすなどして配る方法も示しています。また、「災害時の連絡のため」に集めた連絡先を行事の案内に使うのは目的との関連が認められず、原則として改めて本人の同意が要るという例も挙げています。

古い名簿の処分と名簿の流出

ハンドブックは、名簿の中身を定期的に確かめて新しくし、使わなくなった名簿はデータを消し、紙は回収してシュレッダーにかけるよう求めています。配った先の会員にも、ほかの人に渡したり、なくしたりしないよう呼びかけることを勧めています。 その理由として、ハンドブックは犯罪グループが高齢者などを狙う強盗や特殊詐欺で、不正に手に入れた名簿を使って狙いをしぼっていると考えられることを挙げています。そうしたことに使うおそれのある相手に名簿を渡してはいけないとも書いています。

避難行動要支援者名簿を受け取るとき

避難行動要支援者名簿は、ひとりで避難するのが難しい高齢者や障害のある人などを載せた名簿です。内閣府によると、2013年の災害対策基本法改正で、市町村がこの名簿を作ることが義務になりました。2021年の改正では、一人ひとりの避難の段取りを決める「個別避難計画」を作ることが市町村の努力義務になっています。 災害対策基本法第49条の11は、市町村長が災害に備えて、消防、警察、民生委員、社会福祉協議会、自主防災組織などの「避難支援等関係者」に名簿の情報を渡すと定めています。ただし平常時は、市町村の条例に特別の定めがある場合を除き、本人の同意がなければ渡せません。災害が起きたとき、または起きるおそれがあるときは、特に必要と認めれば同意なしに渡せます。内閣府の取組指針は、名簿を前もって渡す先の例に自治会を挙げています。 受け取った側には法律上の守秘義務があります。同法第49条の13は、名簿の提供を受けた人や、名簿を使って避難の支援にあたる人は、その立場を離れた後も、正当な理由なく秘密を漏らしてはならないと定めています。取組指針は市町村がとる措置の例として、名簿を扱う人を団体の中で限ること、担当する地区の分だけを渡すこと、鍵のかかる場所に保管すること、必要以上に写しを作らないこと、災害時にだけ渡した名簿は使った後に廃棄か返却を求めることを挙げています。

見守りと個人情報、両方の言い分

見守りを重く見る側の根拠は、法律そのものにあります。個人情報保護法は、大きな災害などで人の命や体、財産を守るために必要で、本人の同意を得るのが難しいときは、同意なしに名簿を渡せるとしています。取組指針は、名簿が平常時から共有されていることが、災害時の素早い避難支援に結びつくとしています。 個人情報を重く見る側にも根拠があります。名簿が犯罪に使われるおそれは、個人情報保護委員会自身が注意を呼びかけている点です。避難行動要支援者名簿には、要介護の度合いなど、他人に知られたくない情報が載ります。災害対策基本法が平常時の提供に本人の同意を原則として求めているのは、この重さのためです。 両者の間をつなぐ手がかりとして、取組指針は、福祉の専門職や民生委員など、日ごろから付き合いのある人がかかわることが同意につながる場合があると述べています。法律が示しているのは、目的を決め、同意を得て、渡す範囲を絞り、しまい方と捨て方を決めるという手順です。

考えるための問い

  • 自分の町内会の名簿は、何のために作ったのかが書かれていますか。載っている人はそれを知っていますか。
  • 古い名簿や、役員が交代したときの名簿は、誰がどう回収し、処分していますか。
  • 避難行動要支援者名簿を受け取っている場合、誰が見られて、どこにしまってあるかを、役員全員が答えられますか。浜区の場合はどうか、考えてみてください。

出典

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