泉南市 浜区文書アーカイブver0.93ver0.91

町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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取り組み方防犯灯とごみ集積所は誰が支えるのか 非会員と「ただ乗り」

防犯灯、ごみ集積所、登下校の見守りは、町内会が長く担ってきた暮らしの「設備」です。防犯灯は会員の家の前だけを照らすわけではなく、集積所は町内会をやめた人も使います。そこで、会費を払わない人が恩恵だけを受けるのは「ただ乗り」ではないか、という不満が出ます。反対に、ごみの収集は役所の仕事なのだから町内会が使わせないのはおかしい、という言い分もあります。自治体の補助のしくみ、裁判の経過、国の統計をもとに、費用と手間を誰が持つのかを考える材料を並べます。

防犯灯の電気代と自治体の補助

防犯灯を町内会が立てて管理し、その費用の一部を市が補助するしくみをとる自治体があります。千葉県柏市は、町会などが設置して管理する防犯灯について、維持費を1灯ごとに年額で補助しています。LEDの10ワットまでの灯具なら年2,300円です。 大阪府箕面市は、自治会の防犯灯の電気料金について、市が認めた経費の10分の9以内を補助しています。新設や改修の工事には、4分の3以内、1灯4万円までの補助があります。

LED化は町内会の負担を減らしたのか

新潟県上越市は2015年度から2022年度までの8年間、町内会の防犯灯をLEDに替える費用の3分の1(1灯1万円まで)を補助しました。この間に、町内会が管理する防犯灯のLED化率は9%から90%に上がりました。上越市では電気代を市が負担しており、市内の防犯灯の電気料金は2013年度の約1億1,187万円から、2023年度には約7,510万円に下がっています。 ところが、上越市の高田区地域協議会(市の区域ごとに置かれた住民の協議の場)が2025年1月に市長へ出した意見書は、別の面を指摘しています。8年間で市の補助が約1.1億円だったのに対し、町内会の負担は2.2億円を超えました。LED灯の耐用年数とされる10年が順に来ますが、補助制度はすでに廃止され、交換費用は全額町内会持ちです。意見書は、防犯灯は公共の施設なのだから費用を全部町内会に求めるのは不合理だとして、市が全部か大半を補助するよう求めました。

ごみ集積所は誰のものか

廃棄物処理法第6条の2は、市町村が一般廃棄物(家庭のごみなど)を集め、運び、処分すると定めています。香川県は2023年、町内会をやめたら集積所を使わせないと言われたという県民の声に、ごみの処理は市町の仕事で、住民が必要とする公共サービスの一つだと答えました。県内の市町は、集積所の共同利用を町内会に頼むなどの対応をしているとも説明しています。 一方で、集積所の箱を町内会が買い、掃除当番を回している場所もあります。川崎市議会に2024年に出された陳情には、町内会をやめると言った住民が会長から「ごみ箱は使わせない」と言われ、区役所からは「町内会と話し合ってほしい」と言われた経過が書かれています。

神戸市の裁判の経過

プレジデントオンラインの記事によると、町内会に入らなかったことを理由に集積所を使えなくなった神戸市の夫妻が、2020年に慰謝料と利用する権利の確認を求めて自治会を訴えました。 浜松市議会議員が2023年11月の一般質問で示した資料によると、この自治会は総会で、役員や掃除当番を担う会員は年会費3,600円、当番を担わない「準自治会員」は年10,000円、会費を払わない人は集積所を使えないと決めていました。自治会は、集積所は自治会のもので、使わせれば会費を払っている住民との間に不公平が生じると主張しました。夫妻は、ごみを出せなくなって大きな精神的苦痛を受けた、町内会に入っていなくても使う権利がある、と主張しました。 神戸地裁は2021年9月に夫妻の利用権を認め、自治会に20万円の賠償を命じました。控訴審の大阪高裁(川崎市の陳情によれば2022年10月)は、利用権は認めなかった一方で、自治会に30万円の賠償を命じました。一審、二審とも自治会の対応を違法としましたが、利用権については判断が分かれました。双方が上告したことは確認できましたが、最高裁の結論は確認できませんでした。

防犯パトロールの担い手

警察庁の調査では、月1回以上活動する5人以上の防犯ボランティア団体は2025年末に41,782団体、構成員は約207万人で、前年より団体数が2.5%、構成員数が6.3%減りました。活動は徒歩のパトロール(78.9%)と通学路での子どもの見守り(71.1%)が多く、構成員の平均年代が60歳代の団体が40.9%、70歳代以上の団体が34.9%を占めます。成果は地域全体に及びますが、支える人は減り、年をとっています。

「ただ乗り」をめぐる二つの言い分

会員の側から見ると、防犯灯の電気代も集積所の掃除も、会費と労力を出した人が支えています。出さない人が同じように使えるなら、続けて出す理由が薄れ、加入する人がさらに減るおそれがあります。 非会員の側から見ると、町内会は入るかどうかを選べる団体です。ごみの収集は市町村の仕事で、税金も払っています。入らないことを理由に、生活に欠かせない集積所を使わせないのは、加入を強いるのと変わらないという言い分です。 両方の言い分が出てくるのは、公共の性格を持つ設備の費用と手間を、任意の団体が引き受けてきたからです。上越市の意見書は防犯灯の費用を公費で持つことを、川崎市の陳情は非会員のごみの出し方について市の方針をはっきりさせることを求めています。

考えるための問い

  • 自分の町内会の防犯灯の電気代と交換費用は、どれだけを町内会が払い、どれだけを市が補助していますか。
  • 町内会に入っていない世帯は、集積所やその掃除とどうかかわっていますか。使用料や当番の形で分担する決まりはありますか。
  • 見守りやパトロールの担い手が今の半分になったら、何をやめ、何を誰に頼みますか。浜区の場合はどうか、考えてみてください。

出典

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