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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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現状女性や子育て世代の声は町内会に届いているか

町内会の行事の手伝いや班長の仕事を担う人には女性が多いのに、会長の席に座る女性はごくわずかです。内閣府の毎年の調べでは、自治会長に占める女性の割合は2025年に7.8%でした。ここでは、その数字の移り変わり、女性が会長になりにくい理由、防災や役員会に女性や子育て世代、働く世代の声が入りにくいわけ、参加を広げた町内会の例を、国の資料で確かめた範囲で並べます。役員会の顔ぶれで町内会が何を見落とすかが変わるので、自分の町内会を見直す手がかりになります。

自治会長の女性は1割に届いていない

内閣府の毎年の集計では、2007年の自治会長は23万968人のうち女性が8,853人で、3.8%でした。2025年は23万9,459人のうち1万8,629人で、7.8%です。ほぼ倍になっても、10人に1人に届きません。 国はこの割合に目標を立ててきました。第3次男女共同参画基本計画は「2015年までに10%」を掲げましたが、2014年の値は4.7%でした。第5次計画の「2025年度に10%」にも、2025年の7.8%は届いていません。 同じ調べには、市町村の防災会議(地域防災計画をつくる会議)の委員に占める女性の割合も載っています。2025年は12.0%で、女性の委員が一人もいない会議が257ありました。

女性が会長になりにくい理由

内閣府男女共同参画局は2016年度に全国の市区町村へのアンケートと女性自治会長への聞き取りを行い、2017年3月に報告書「持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について」をまとめました。その概要では、約3割の市区町村が、女性が会長になるのが難しい理由として「家族が女性会長になることへの抵抗」「家族の協力が得られないこと」「地域における女性の性別役割分担意識」を挙げています。性別役割分担意識とは、代表や外の仕事は男性、裏方や家のことは女性、というように性別で役割を決めてかかる考え方です。 会長の選び方も関係していそうです。同じ調査では「前会長など役員からの指名・推薦」と「役員内からの互選」を挙げた市区町村がそれぞれ約7割ありました。役員の大半が男性の町内会では、指名や互選で次の会長を選ぶと、男性が選ばれやすくなる可能性があります。 内閣府の委託でまとめられた『女性自治会長活動事例集』(2019年)も、地域の活動は女性が多く担ってきた一方で、会長などの役職は男性が多くを占めてきたと書いています。高知市の大津関町内会で初めて女性会長になった人は、就任当時の役員が全員男性だったこと、持ち回りの班長は母親が多く務めていることを語っています。そのうえで、家庭や子育て、仕事の負担の多くを女性が担う仕組みが変わらなければ、女性役員を増やしても意味がないと述べています。

防災や役員会で声が入りにくいわけ

総務省の「地域コミュニティに関する研究会」の報告書(2022年4月)の概要は、一人暮らしの世帯や働く女性と高齢者が増えたこと、自治会の活動や運営のやり方が今の暮らしに必ずしも合っていないことを、加入率の低下や担い手不足の背景に挙げています。共働きの子育て世代や平日に勤める人にとっては、昔ながらの時間帯や長さの会合に出ること自体が難しい場合があり、出られなければ意見を言う機会もありません。報告書は、若者や現役世代の参加を促しながら、市区町村が自治会の活動のデジタル化に取り組むことを有効としています。 防災で女性の声が欠けると何が抜け落ちるかは、内閣府男女共同参画局の『災害対応力を強化する女性の視点 男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン』(2020年5月)が具体的に示しています。ガイドラインは、女性を防災と復興の「主体的な担い手」と位置づけ、平常時に取り組むことの中に自主防災組織や避難所運営マニュアルづくりを挙げています。付属の避難所チェックシートには、次のような項目が並んでいます。
  • 管理責任者に男女の両方を置いている
  • 自治的な運営組織の役員に女性が3割以上加わっている
  • 食事作りや片付け、掃除の負担が、特定の性別や立場の人に偏っていない
  • 生理用品や下着などの女性用品は、女性の担当者が配っている
どれも、男性ばかりの会議で避難所の運営を決めると見落とされるおそれのある点です。

参加を広げた町内会の例

先の事例集には、女性が会長を務める町内会の工夫が載っています。いずれも2019年時点の本人の説明です。
  • 高知市の大津関町内会(約800世帯):長かった会議を30分に縮め、毎月の会議を行事の前後だけにし、会議のあとの宴会をやめました。男性が大半だった役員と女性が多かった班長の比率を入れ替えるように女性役員を増やし、子どもを連れて会議に来ることを歓迎しました。意見を言いにくかった人も案を出すようになったそうです。
  • 仙台市泉区の市名坂東町内会(約250世帯):2008年に女性8人で立ち上げ、行事は土日祝日をなるべく避け、ごみ置き場の掃除は外に委託して当番の負担をなくしました。東日本大震災の経験から、避難所運営委員会に女性コーディネーターを置くよう働きかけて実現しました。
  • 京都府長岡京市の八条が丘自治会:毎月の自治会だよりを紙に加えてメールでも配り、マンションに住む人や働いている人、若い世代に届くようにしました。
2017年の報告書の提言も、行政から自治会への頼みごとの見直し、会長を複数置く仕組み、仕事を書き出す「引継ぎ帳」づくりなど、役員の仕事を減らす方向を挙げています。

考えるための問い

  • 自分の町内会の役員会に、女性、子育て中の人、平日に勤めている人は何人いますか。その人たちが出られる曜日と時間に会議を開いているでしょうか。
  • 行事の手伝いや班長を担っている人と、役員会で物事を決めている人の顔ぶれは同じですか。違うなら、手伝う人の意見はどうやって役員会に届いていますか。
  • 地区の避難所を開くとき、着替えの場所や女性用品の配り方を誰が決めることになっているか、知っていますか。

出典

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