泉南市 浜区文書アーカイブver0.93ver0.91

町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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取り組み方子ども会と老人クラブはなぜ減ったのか 町内会との関係と支え方

町内会の総会資料や回覧には、子ども会や老人会(全国の制度では「老人クラブ」と呼びます)の名前がよく出てきます。町内会の会計から助成金を出したり、行事を一緒に開いたりするので、町内会の一部だと思っている人も多いはずです。ところが、この二つの会は全国でこの数十年、会員を大きく減らし、休止や解散も起きています。町内会とどうつながっているのか、どれだけ減ったのか、なぜ減ったのか、続けるためにどんな手があるのかを知っておくと、自分の地域の子ども会や老人会を残すか、形を変えるか、町内会としてどこまで支えるかを話し合うときの手がかりになります。 ## 町内会の部会なのか、別の団体なのか 答えは地域によって違います。京都府舞鶴市の自治会ハンドブックは、自治会の組織図の例として、会長や会計の下に「専門部会」を置き、そこに婦人部や青年部と並べて子供会と老人会を入れています。同じ冊子の予算書の例には、老人クラブや子ども会への助成金という支出の欄もあります。一方、鳥取県の米子市自治連合会の手引きは、自治会の仕事の一つに、子ども会や老人クラブなど地域の団体の支援と協力を挙げています。こちらは、別の団体を外から支える書き方です。 どちらの会も、町内会とは別に自分たちの連合組織を持っています。全国子ども会連合会は1964年に発足しました。老人クラブは、市区町村、都道府県、全国の各段階に連合会があり、その全国組織が全国老人クラブ連合会(全老連)です。老人クラブは1963年施行の老人福祉法第13条で、地方公共団体が援助に努める相手として名前が挙がっています。 ただし、活動する範囲は町内会と重なることが多くあります。名古屋市は、地域子ども会を主に町内会や自治会の単位で組織される団体と説明しています。全老連も、ふだん声をかけ合い歩いて集まれる小さな地域で組織し、規模は30人から100人を標準としています。部会であれば町内会の総会で行事や予算を決めることになり、別団体であれば会が自分で決め、町内会は助成や協力の形で関わることになります。 ## 会員はどれだけ減ったのか 子ども会は、内閣官房のウェブサイトに載っている全国子ども会連合会の資料(2022年度)の表によると、全国の会員(幼児を含む)が1984年度の約666万人で最も多く、2021年度は約184万人でした。単位子ども会(町内などの小さな地域ごとの会)の数も、1985年度の15万1,891から2021年度の6万294に減っています。なお、同じ資料の会長の文章では、1980年代の会員を800万人超、2020年度末を275万人と書いています。表と数え方が違うようですが、違いの中身は確認できませんでした。 減り方は子どもの数の減少だけでは説明できません。同じ資料に収められた鳥取県米子市の報告では、市内の小学生のうち子ども会の安全共済会に入っている児童の割合(市は子ども会加入率としています)が、2012年度の92.3%から2022年度は69.5%に下がりました。名古屋市では、地域子ども会の団体数が最も多かった1986年度の3,862から、2023年度は1,501になっています。 老人クラブは、厚生労働省の統計で2005年度末に12万6,245クラブ、会員803万5,078人でした。この時点で、どちらも1997年度を最多として減り続けていました。全老連が同じ統計をもとに示す2024年3月末の数は、7万7,596クラブ、会員376万6,915人です。およそ20年でクラブ数は4割近く減り、会員は半分以下になりました。 ## なぜ減っているのか 子ども会について、全国子ども会連合会は社会情勢の変化、少子化、コロナ禍を挙げています。名古屋市が2024年5月に小学1年生から中学1年生の保護者に聞いた調査では、子ども会活動を負担に感じると答えた人が6割を占めました。負担の中身は「役員や活動の手伝い」が82.4%、「会議に時間がとられる」が51.6%です。市は、運営を担う保護者の負担の大きさが団体数や会員数の減少につながっていると見ています。入っていない子どもに聞くと、入りたくない理由には「楽しそうだと思わない」(28.1%)や「何をしているかわからない」(26.6%)がありました。 老人クラブについては、大阪府老人クラブ連合会が府の委託事業の報告書(2025年3月)で、会長などの後継者がいないために休会や解散に追い込まれるクラブが相次いでいると書いています。背景として報告書が挙げるのは、2013年と2021年に施行された高年齢者雇用安定法の改正で定年が延びたりなくなったりし、定年後に地域活動を始めて老人クラブに入るという流れが詰まったこと、古いイメージが好まれていないことなどです。補助金の申請や報告の書類が煩雑で役員のなり手がいない、という声も多く寄せられました。厚生労働省が2023年に開いた事業の点検でも、外部の有識者から、名称自体が加入の妨げになっている面があるという意見が出ています。 ## 解散や休止はどのように起きるか 老人クラブには、会員数が減ると補助が受けられなくなる仕組みがあります。国の補助の対象は、おおむね会員30人以上のクラブです。神戸市は2018年、国への提案の中で、要件を満たせなくなるまで会員が減ったクラブは解散に向かうこと、一度止まった活動を再び始めるには手間と費用がかかることを挙げ、基準の緩和を求めました。この提案がその後どう扱われたかは確認できませんでした。 解散した後の手当てもあります。大阪府老人クラブ連合会の報告書によると、クラブがなくなった地域の会員の受け皿として、連合会が直接運営するクラブを置くところが増えています。報告書自身は、地域に根ざすという老人クラブの役割とは矛盾するので、短期的な対応にとどめるべきだとしています。子ども会でも、名古屋市の検討会議が、団体の減少で活動が行われていない地域も少なくないと指摘しました。 ## 続けるための工夫 一つは、小さな会でも補助を受けられるようにすることです。川崎市老人クラブ連合会は、30人に満たない10人以上の老人クラブ向けの補助金を設け、10人から19人で年2万4,000円、20人から29人で年4万9,200円を出しています。区や地区を単位とする広域のクラブも対象です。名古屋市の地域子ども会運営助成金は1973年度からあり、会員5人以上の子ども会に、人数に応じて年1万6,000円から7万1,900円を出しています。 もう一つは、運営の手間を減らすことです。名古屋市は2024年12月にまとめた方針で、助成金の申請をオンラインでできるようにすること、役員の連絡にICT(スマートフォンなどの情報通信の道具)を使えるよう講習会を開くことを挙げました。2021年度には、行事の当日に手伝いの人を派遣したり、行事の企画を相談に乗ったりする「子ども会活動アシストバンク」を始めています。大阪府老人クラブ連合会の報告書は、市町村ごとに違う補助金の書類をできるだけ揃えて簡単にするよう求めています。 活動の中身を見直す例もあります。同じ報告書によると、会員を増やしているクラブは、スマホ勉強会や新しい軽スポーツ、フレイル(体と心の働きが弱ること)の予防など、会員の求めに合った活動を広げています。報告書は、女性を役員に登用することも活性化の手だてとして挙げています。 ## 考えるための問い - 自分の町内会では、子ども会や老人会は規約上の部会ですか、それとも助成をしている別の団体ですか。行事や会計を誰が決めているか、確かめたことはありますか。 - 子ども会や老人会の役員の仕事のうち、やめても困らない行事や書類はどれですか。逆に、なくなると困るのはどの活動ですか。 - もし会が休止したら、通学の見守りや高齢者の集まりのように会が担ってきたことを、町内会や近所でどう引き継げますか。 ## 出典 - 資料5 全国子ども会連合会の資料(全国子ども会連合会、内閣官房ウェブサイト掲載・2022年度) - 教育委員会月報 令和7年10月号「ひとりごと」子ども会(文部科学省・2025年) - 子ども会活動振興策の方向性(名古屋市・2024年) - 子ども会活動振興策の方向性(名古屋市ウェブサイト・2025年更新) - 自治会ハンドブック(舞鶴自治連・区長連協議会、舞鶴市・発行年の記載なし) - 自治会運営の手引き(米子市自治連合会・2026年) - 老人クラブとは(全国老人クラブ連合会) - 令和5年度 都道府県・指定都市老連別老人クラブ数・会員数(全国老人クラブ連合会・2024年) - 平成17年度 社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例)結果の概況(厚生労働省・2006年) - 老人クラブについて 資料1-2(全国老人クラブ連合会、厚生労働省 介護予防・日常生活支援総合事業の充実に向けた検討会 第3回・2023年) - 行政事業レビュー公開プロセス 在宅福祉事業費補助金 外部有識者のコメント(厚生労働省・2023年) - 老人クラブ活動サポート事業 報告書(大阪府老人クラブ連合会・2025年) - 在宅福祉事業費補助金における補助対象老人クラブの会員数の基準緩和(平成30年 地方分権改革に関する提案募集 神戸市提案・2018年)
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