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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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将来地域運営組織と地域自治区 小学校区でまとまる仕組み

小学校区くらいの範囲で、町内会、PTA、老人会、NPOなどが一つにまとまり、見守りや防災、買い物の手助けまで引き受ける組織が全国で増えています。国の調査では「地域運営組織」と呼ばれ、自治体によって「まちづくり協議会」「地域自主組織」など名前が違います。これとは別に、2004年の地方自治法改正でできた「地域自治区」という法律上の仕組みもあります。どちらも町内会より一回り大きな単位で地域のことを話し合う試みで、町内会の役割や負担がどう変わるかに直接かかわります。この記事では、二つの仕組みの違い、総務省の調査に出てくる組織の姿、うまく回っている例と指摘されている課題を並べます。

法律で置く「地域自治区」

地域自治区は、地方自治法第202条の4から第202条の9に定められた仕組みです。2004年5月に公布された改正法(平成16年法律第57号)で加わりました。市町村は条例で区域を分けて地域自治区を設けることができ、区ごとに事務所を置きます。事務所の長は市町村の職員です。地域自治区そのものは住民の団体ではなく、市役所の仕事を地域ごとに分けて受け持つ仕組みです。 住民がかかわるのは、区ごとに置く地域協議会です(第202条の5)。構成員は区域に住む人の中から市町村長が選び、任期は4年以内で条例が決めます。報酬を払わないことにもできます。協議会は市の仕事について審議して意見を述べることができ、条例で定めた重要な施策を市町村長が決めたり変えたりするときは、前もって協議会の意見を聴かなければなりません(第202条の7)。協議会が持つのは決める権限ではなく、意見を言う権限です。 制度はできたものの、あまり広がっていません。総務省の一覧では、2026年4月1日時点で地方自治法にもとづく地域自治区を置いているのは11団体、102区です。このほか市町村合併の特例法にもとづくものが4団体、10区あります。11団体は、どれも2005年か2006年に合併した市町です。

上越市の地域協議会と委員のなり手

地域自治区を市内全域に置いている例に、新潟県上越市があります。2005年の合併で旧町村の13区に置き、2009年に合併前の上越市の区域にも15区を加えて、28区になりました。市の手引きによると、委員は公募で集め、応募が定数を超えたときは公職選挙法に準じた選任投票をして、その結果を尊重して市長が選びます。委員は無報酬で、会議1回につき交通費相当の1,200円が出ます。協議会は市長の諮問に答えるほか、自分たちで課題を選んで話し合い、市長に意見書を出せます。 ただ、手を挙げる人は減っています。同じ手引きにある公募の記録では、応募者が定数に占める割合は2005年1月が98.4%、2020年3月が84.0%、2024年3月が61.3%でした。2024年は定数380人に対して応募が233人です。定数に足りない分は、市長が年代や性別、地域のつり合いを見て、委員になれる人の中から選ぶ仕組みになっています。

住民がつくる「地域運営組織」

地域運営組織は、法律で決まった組織ではありません。総務省の定義では、地域で暮らす人が中心になってつくり、地域のいろいろな団体が参加する話し合いの場が決めた方針にもとづいて、地域の課題に続けて取り組む組織を指します。令和7年度の調査では全国に8,587団体ありました。 総務省が2026年3月にまとめたこの調査で、組織の姿が分かります。活動の範囲は「小学校区とおおむね一致する」が42.6%で最も多く、「旧小学校区とおおむね一致する」の17.5%が続きます。母体になった組織は「自治会・町内会」が33.4%、「自治会・町内会の連合組織」が30.0%で、合わせて6割を超えます。構成団体(複数回答)を見ると、自治会・町内会が78.8%、老人クラブなどの高齢者団体が42.4%、PTAが38.1%で、NPOは6.0%でした。 お金と法人格の面では、行政への頼り方がはっきり出ています。主な収入源(上位5つまで複数回答)は「市区町村からの助成金・交付金等」が86.1%で、構成員からの会費の41.4%を大きく上回ります。法人格のない任意団体が90.3%を占め、NPO法人は3.4%、町内会が法人になるときに使う認可地縁団体は2.1%でした。地域の差も大きく、組織のある市区町村の割合は中国地方の79.4%に対して北海道地方は20.7%、町村全体では36.3%です。

雲南市の地域自主組織

うまく回っている例としてよく紹介されるのが島根県雲南市です。国の地方創生のサイトに載った市の講演要旨によると、2004年の6町村合併を機に、おおむね小学校区ごとに自治会などで構成する「地域自主組織」をつくり、当初の44組織を再編して全市30地区にそろえました。旧公民館を転換した交流センターを拠点にし、職員は地域が直接雇い、市の交付金と指定管理料で運営を支えています。市と地域は基本協定を結び、役割分担や個人情報の扱いを文書にしました。 活動は町内会の範囲を超えています。波多地区は交流センターで約1,000品目を扱う店を開き、無料の送迎と組み合わせています。鍋山地区は水道検針を引き受け、検針に見守りを兼ねさせています。収入を得ながら暮らしを支える事業で、一つの町内会では人手も資金も足りない規模です。

町内会の負担は減ったのか

町内会の側からは、負担が増えたという指摘もあります。総務省の地域コミュニティに関する研究会(2021年10月)で講師を務めた水津陽子氏は、自治会の担い手不足の要因の一つに、まちづくり協議会など自治会以外の団体の負担を挙げました。会費や役の負担、行事への動員で町内会の活動が圧迫される例が少なくないとし、負担を減らすはずの協働が、負担を増やすだけになっている場合があると述べています。 地域運営組織の側も、この問題を課題として意識しています。令和7年度の調査で、続けていくうえでの課題に「自治会・町内会との関係、役割分担」を挙げた組織は25.0%でした。町内会の役員がそのまま大きな組織の役員を兼ねると、会議や行事が二重になりやすくなります。上越市の公募の数字も、話し合いの場を制度で用意しただけでは、人が集まり続けるとは限らないことを示しています。

考えるための問い

  • 自分の町内会がある小学校区に、町内会やPTA、老人会が集まって話し合う場はありますか。あるとしたら、そこで決まったことを実際に動かしているのは誰ですか。
  • 町内会の役員が一回り大きな組織の役員も兼ねるとしたら、どの仕事を町内会に残し、どの仕事を大きな組織に移しますか。
  • 市の交付金で動く組織と、会費で動く町内会では、住民の声の届け方はどう違うと思いますか。浜区の場合はどうか、考えてみてください。

出典

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