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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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成り立ち集会所の名義が個人のままのとき、認可地縁団体は何ができるか 10月26日 14:21 登録

集会所や町内会の土地の登記簿を見ると、名義が会長個人や、何十年も前の人たちのままになっていることがあります。認可地縁団体になれば団体名義で登記できますが、名義を書き換えるには、本来、名義人かその相続人全員の協力が要ります。この記事では、認可地縁団体が不動産を団体名義にできる理由と、名義人や相続人の行方が分からないときのために地方自治法に置かれた特例を、総務省と法令の資料で確かめた範囲で説明します。自分たちの町内会の不動産が誰の名前になっているかを、見直す手がかりにしてください。

団体名義で登記できる理由

総務省の資料によると、日本の法制度で権利や義務の主体になれるのは自然人(生身の個人)と法人に限られます。法人格のない町内会の財産は構成員全体のものとされ、不動産登記でも団体名義は認められませんでした。そのため、土地や建物は代表者の個人名義か、構成員全員の共有名義で登記されてきました。 1991年(平成3年)4月に地方自治法に第260条の2が加わり、市町村長の認可を受けた町内会(認可地縁団体)は法人格を持つことになりました。総務省の制度概要は、認可地縁団体は法人格を持ち、土地や集会施設などの不動産を団体名義で登記できると説明しています。団体名義の登記が可能になったのは、団体そのものが権利義務の主体になったからです。

個人名義のままだと何が起きるのか

代表者の個人名義で登記された不動産は、登記簿の上では個人の財産と見分けがつきません。2013年(平成25年)の総務省行政評価局のあっせん(相談への対応を関係部署に求める文書)は、名義人の相続人が相続財産と勘違いして処分してしまうなどの問題が起きていたと書いています。 同じ文書には、申し出のあった二つの事例が載っています。一つは、1936年(昭和11年)以降、登記簿の表題部(土地の状況や所有者を記す欄)に所有者107人の氏名だけが載っている山林です。所有者の多くが亡くなっていて、相続人を確定する手間と費用が大きく、団体名義への移転ができずにいました。もう一つは、共同墓地の一部を道路の拡幅のために買う必要が出たものの、共有名義の人の多くが亡くなっていて相続人の把握や同意が難しく、事業計画を変えるしかなかった事例です。 名義人が亡くなっている場合の原則は、同じ文書によると、相続人全員の申請でいったん相続人名義に登記し、そのうえで認可地縁団体との共同申請で団体名義に移すというものでした。登記簿の名義が昔のまま動いていない不動産では、この手順を踏むのが極めて難しいと、文書は述べています。

市町村長の公告を使う特例

2015年(平成27年)4月1日に、地方自治法の改正による登記の特例が始まりました(新宿区と長野市の案内による)。現在の条文では第260条の46と第260条の47にあたります。2013年の文書によると、法務省民事局は、名義人が手続に関わらないまま団体名義に変えるには、市町村が異議を募る手続を経て出す「異議の申出がなかった旨の証明」を添付する必要があるという考えでした。特例の公告と証明の流れは、この考え方と同じ形をしています。 団体が特例を使うには、第260条の46第1項と第2項が定める次の四つの事情が全部そろい、それを示す資料を添えて市町村長に申請する必要があります。
  • 団体がその不動産を所有していること
  • 団体が10年以上、所有の意思をもって、平穏かつ公然と占有していること
  • 表題部所有者か所有権の登記名義人の全員が、団体の構成員か、かつて構成員だった人であること
  • 名義人かその相続人(登記関係者)の全部または一部の所在が知れないこと
申請を受けた市町村長は、申請を相当と認めると、異議のある登記関係者や、自分に所有権があると示す人は異議を述べるよう公告します。公告の期間は3か月を下回ってはならないと、同条第2項が定めています。期間内に異議が出なければ、団体名義にすることへの登記関係者の承諾があったものとみなされ、市町村長は、公告したことと異議が出なかったことを示す情報を団体に渡します(第3項、第4項)。 団体はこの情報を申請書と一緒に登記所(法務局)に出せば、相手方の協力なしに、団体だけで所有権の保存登記や移転登記を申請できます(第260条の47)。異議が出たときは、市町村長がその旨と内容を団体に知らせます(第260条の46第5項)。長野市の案内では、異議があれば手続きは中止されるとされています。

特例の限界と運用の実際

新宿区と長野市の案内は、この特例が不動産の所有権の有無を確定させるものではない、と注意しています。公告は、異議を述べる機会を与える手続です。権利をめぐる争いがあるなら、特例では解決しません。 長野市は、所在が分かっている登記関係者がいるなら、事前に同意を得ておくことが望ましいとしています。要件を示す資料が手に入りにくい場合について、柏市は、理由書、地域の事情に詳しい人の証言書、占有を示す写真などを補う資料として挙げています。申請の前に市の担当課へ相談するよう勧める自治体もあります。 総務省が2024年(令和6年)3月にまとめた調査では、2018年度(平成30年度)から2022年度(令和4年度)までの5年間に、この特例の申請が合計1,594件ありました。そのうち市町村が申請を相当と認めたのは1,513件、相当でないとしたのは18件、調査の時点で審査中だったのは63件です。同じ調査で、名義を団体に変えるまでの問題点を複数回答で尋ねた結果をみると、「名義人(または相続人)の同意を得るのが困難」は5年間の延べで217団体、「名義変更時点の構成員の把握が困難」は95団体、「構成員の同意を得るのが困難」は59団体でした。

2021年の改正との関係

2021年(令和3年)の第11次地方分権一括法による地方自治法の改正で、不動産などを持つかどうかに関わらず、幅広い地域活動をする団体が認可を受けられるようになりました。施行は同年11月26日です(総務省の調査)。この改正で認可の入口は広がりましたが、今回確かめた資料の範囲では、登記の特例の四つの事情が令和3年に変わったかどうかは確認できませんでした。現在の条文を読むかぎり、特例を使えるのは認可地縁団体に限られます。つまり、個人名義の不動産を団体名義にしたい町内会は、先に認可を受けておく必要があります。

考えるための問い

  • 自分の町内会の集会所や土地は、登記簿の上で誰の名前になっていますか。その人は今も連絡がつきますか。亡くなっている場合、相続人を何人たどれるでしょうか。
  • 名義人や相続人の所在が分かっているうちに同意をもらう手間と、所在が分からなくなってから公告で進める手間とでは、どちらが小さいでしょうか。
  • 特例は所有権を確定させません。異議が出たとき、町内会はどう話し合って進めるのがよいでしょうか。

出典

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