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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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将来学生は町内会とどう関わるか 横浜・涌谷・熊本の資料から 10月28日 14:22 登録

町内会の担い手が高齢になり、若い人が入らないという話は、どの地域でもよく聞きます。では、大学生や高校生は町内会や自治会と実際にどう関わっているのでしょうか。この記事では、行政や大学が公開している三つの資料を読み、学生や若い世代が地域に関わった例と、関わりが難しい理由を確かめます。うまくいった点と難しい点の両方を並べるので、自分の町内会に当てはめて考える材料にしてください。 なお、三つとも町内会そのものに学生が加入した話ではありません。防災訓練への参加、話し合いの場づくり、大学を通じたつながりの提案といった、入口に近い取り組みです。その点を頭に置いて読んでください。

例1 横浜市保土ケ谷区の宮田町町内会:学生団体と話し合う

横浜市の「地域の担い手創出支援事業」の事例紹介に、宮田町町内会(保土ケ谷区)が載っています。この町内会は約1,200世帯のうち約6割が加入している大きな町内会で、防災訓練にも力を入れています。一方で、役員の高齢化と、若い世代の参加の少なさが課題でした。防災訓練の内容は充実していても役員中心の運営になり、参加者が「見ているだけ」になる場面があったと書かれています。 そこで、防災を広める学生団体「Genkai」(鎌倉を拠点に高校生や大学生が活動する団体)の協力を得て、若い世代が参加しやすい町内会の形を考える取り組みが行われました。町内会の役員と学生が話し合い、学生が進める自己紹介形式のアイスブレイク(場をほぐす遊び)も行われています。若い世代と話す機会がこれまであまりなかったので新鮮だった、という参加者の声が載っています。 話し合いからは、スタンプラリー形式の防災体験、消火体験、炊き出しや防災食の試食といった、楽しみながら学べる企画が多く提案されました。町内会館を学生や若い人が集まれる場所として開く案や、防災イベントの運営の一部を若い人に任せる案も出ています。役員以外の人にも無理のない範囲で役割を頼む「サポーター制度」の案もありました。 うまくいった点は、役員と若い世代が顔を合わせて話し、小さな役割があれば関わりやすいという気づきが得られたことです。難しい点は、この資料が示しているのは話し合いと提案の段階までで、学生団体との企画を検討していく、と書かれていることです。実際に学生が町内会の活動に定着したかどうかは、この資料からは分かりません。

例2 宮城県涌谷町の高校:町の総合防災訓練に生徒が加わる

宮城県が公開している学校防災の実践事例集に、涌谷高等学校の取り組みが載っています。涌谷町の総合防災訓練に、学校が主会場として場所を提供し、生徒のうち希望した35人が参加しました。水害を想定した訓練で、町役場や地域の住民、自主防災組織など合計200名弱が参加したと書かれています。 準備の進め方に特徴があります。学校の防災担当者が前の年の町の訓練を見学し、町の防災担当部署から訓練の説明を受け、町の担当者と複数回の打ち合わせをして、高校生と地域住民が担う役割を決めました。生徒は避難してくる人の誘導、避難所の受付づくり、ラジオでの被害状況の伝達、段ボールベッドの設置、応急救護の講習、災害用伝言ダイヤル171の体験を行っています。 感想には、高校生が参加してくれてありがたいという住民の声、災害時の子どもたちの力は大きいという町の防災担当者の声、学校と地域と町の連携の基盤ができたという声が並びます。生徒からは、若い自分たちが率先して動かなければならない、という感想が出ています。 ここから読み取れるうまくいった点は、役割を事前に話し合って決めておいたことです。生徒は「手伝い」ではなく、受付や放送といった持ち場を任されました。難しい点については、この資料には書かれていません。参加は有志の35人で、学校行事としての単発の訓練です。町内会や自治会に継続して関わる形になったかどうかは確認できませんでした。事例集に載るのは成果の報告が中心だという点にも、気をつけて読む必要があります。

例3 熊本大学の学生による提案:学生と自治会は接点そのものが少ない

三つ目は実施例ではなく、実態の調査です。熊本大学法学部の学生たちが、熊本市の職員をアドバイザーに迎えてまとめた政策提言「黒髪地区における学生と地域のゆるやかなつながりづくり」です。平成30年(2018年)ごろの資料で、大学のある黒髪地区が対象です。 学生840人(学部生の約10人に1人)へのアンケートでは、地域の人ともっとつながりを持ちたいと答えた学生は49%でした。一方、地域の人と関わることは重要だと答えた学生は78%にのぼります。その理由は、災害など有事のときに助け合えるからが最も多く、452人でした。深く付き合いたいわけではないが、つながりは大切だと考えている学生が多いことが分かります。 地区の町内自治会長4人への取材では、地域の側はルールを守ってくれればよいという姿勢で、学生には祭りや清掃のような年に数回の行事への参加や、何かあったときの人手として協力してほしいという考えだったとされています。提言は、両者とも普段の密接な付き合いではなく、何かあったときに支え合えるゆるやかなつながりを求めていると読み取り、そのうえで、学生が自治会に入る窓口も、地域と関わる入口も、意見を交わす場もない、と指摘しています。 また、行政のイベントに関心があるかを尋ねたところ、一人暮らしの学生では、関心がないと答えた人が52%でした。実家から通う学生では37%です。毎年学生が入れ替わる一方で、学生以外の住民は高齢化が進み、自治会活動の担い手は高齢者が多いことも書かれています。 提言の中身は、大学内にボランティアセンターをつくる、地域課題を扱う授業に地域の人を招いて話し合う、サークル同士が合同で地域の人も加われる行事を開く、という三つです。いきなり町内自治会に参加してと呼びかけても、初めての場所に飛び込むのは勇気がいる、というのが理由です。この提言は学生の案であり、実施されて効果が出たかどうかは、資料からは確認できませんでした。

三つの資料を並べて

三つに共通するのは、いきなり会員になってもらうのではなく、役割のある短い関わりから始めている点です。宮田町では小さな役割、涌谷町では訓練での持ち場、熊本の提言では学生の企画行事の一部に地域活動を組み込む案でした。 違いもあります。涌谷町は学校が窓口になって町と調整しており、熊本の提言は大学を窓口にする案です。窓口になる組織が間にあると、町内会の側は個々の学生を探さずに済みます。ただし、どの例でも、単発の参加がその後の継続した関わりにつながったかどうかは、確かめられませんでした。

考えるための問い

  • 町内会の行事の中に、役員でなくても、短時間で、事前に決めた持ち場を任せられる役割はあるでしょうか。
  • 学生や若い人が町内会に連絡を取りたいとき、窓口はどこにあるでしょうか。窓口になれる学校や団体は近くにあるでしょうか。
  • 学生や若い世代には、深い付き合いは望まないがつながりは大切だと考える人が多いという調査があります。町内会として、どの程度のつながりなら受け入れられるでしょうか。浜区の場合はどうか、考えてみてください。

出典

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