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町内会について歴史・成り立ち・取り組み方・現状・将来を考える材料

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将来コロナ禍で町内会は何を止め、何を続け、何が残ったか 10月29日 14:23 登録

2020年に新型コロナの感染が広がると、町内会の行事や会議の多くが止まりました。それから数年がたち、止まった活動のうち何が戻り、何が戻らなかったのかは、町内会ごとに判断が分かれています。この記事では、自治体、総務省、大学などの調査から、止まった活動、続いた活動、いま残っているものを数字と事例で見ていきます。やめた行事を戻すかどうかは、調査に出てきた両方の声を並べます。

2020年夏の苫小牧市で止まったもの

苫小牧市町内会連合会は2020年7月21日から8月7日にかけて、市内82の単位町内会の会長に緊急アンケートを行い、69件(84.1%)の回答を得ました。 定期総会は、書面総会にした町内会が33(47.8%)、議案書を配るだけで総会としたところが21(30.4%)で、例年どおり開いたのは12(17.4%)でした。行事では、夏祭り(盆踊りなど)を中止した町内会が63(91.3%)で、実施したところはありませんでした。夏休みのラジオ体操は45(65.2%)が中止、運動会は36(52.2%)が中止予定でした。敬老会も44(63.8%)が中止で、中止に替えて記念品を配る町内会が38ありました(検討中を含む)。 高齢者向けの事業(サロン、見守りなど)は、従来どおり行うのが6(8.7%)、回数を減らして行うのが14(20.3%)、中止しているのが28(40.6%)でした。 一方、児童と生徒の見守り(交通安全、非行防止)は48(69.6%)が実施し、中止は9(13.0%)でした。環境美化活動(大掃除、花壇整備など)も40(58.0%)が実施予定と答えています。人が集まって飲食や会話をする行事ほど止まり、見守りや清掃は続いた、という分かれ方です。ただし、これは2020年夏の時点の予定を含む回答で、数も69町内会にとどまります。

横浜市の2,583団体が答えた「できていない」活動

横浜市は2020年9月から10月に、市内の単位町内会2,853団体へ調査を行い、2,583団体(90.5%)が答えました。コロナ禍の活動を「例年どおり実施」「工夫して実施」「できていない」の3つで尋ねています。 回覧板などの情報共有は、例年どおりが81.7%、工夫して実施が15.3%、できていないが2.2%でした。夏祭りやバス旅行などの行事は、できていないが84.6%で、例年どおりは5.0%です。コロナ前にこの種の行事を実施していた町内会は75.5%でした。防火防災活動はできていないが44.5%、高齢者や障害者への福祉活動はできていないが41.9%で、工夫して実施が29.2%、例年どおりが24.4%でした。清掃などの美化事業は、例年どおりが48.8%、できていないが22.5%です。 工夫についても自由記述が集められています。1,419団体から2,021件の意見が出て、活動頻度や人数、時間を減らす縮小が1,162件、消毒や検温などの衛生対策が619件、代替活動が215件でした。代替活動のうちリモート会議やアプリなどのICTの活用は57件で、全体の3%足らずです。苦労したことは、イベントや会合を開くかどうかの決定が44.9%で最も多くなりました。

見守り、回覧、総会に出た工夫

東京都生活文化局が2020年9月にまとめた「地域活動に関する検討会」の事前アンケートには、団体が書いた事例が並んでいます。町内の80歳以上の人に、元気かどうかを尋ねるはがきを送った例があります。集金や回覧と合わせて、電話で安否を確かめた例もあります。緊急事態宣言の下で戸別配布や回覧を一時やめ、会館に置いて持ち帰ってもらう、掲示板に貼る、ポストに入れるといった方法に替えた団体は11でした。総会を書面で開いた団体は22、オンラインで開いた団体は2です。なお、この資料では回答した団体の総数を確かめられませんでした。 総務省の自治会等に関する市区町村アンケート(資料9-3)には、神奈川県伊勢原市の例があります。回覧を回すこと自体に不安の声があったため、市が回覧を依頼する資料を市のホームページでも見られるようにしました。同じアンケートで、コロナ禍を契機に自治会向けの新しい施策を自由記載した314団体のうち、施設の改修や備品の購入が170団体(54.1%)、ガイドラインやマニュアルの策定が71団体(22.6%)、自治会活動のデジタル化が37団体(11.8%)でした。 総務省の地域コミュニティに関する研究会の報告書(2022年4月)は、東京23区のうち5区の町会・自治会117団体への調査(2020年9月)も紹介しています。コロナ禍でインターネット等の活用が進んだと答えた団体は6.8%で、以前と変わらず活用していない団体が70.9%でした。

2年後、3年後に残ったもの

第一生命経済研究所のライフデザイン白書2024によると、地域イベントなどの「中止または延期」の割合は、2020年9月から2022年9月までに41.9ポイント下がりました。2022年の夏から秋にかけて、各地で「3年ぶり」の開催が本格的に再開したとも報告されています。ただし、この調査の対象人数は、確かめた範囲では分かりませんでした。 戻らなかった人もいます。大正大学地域構想研究所が2021年12月に行ったインターネット調査(864人)では、コロナ前に自治会・町内会などの地縁的活動に参加していた人のうち57.9%が、大きく影響を受けてほとんど活動が行われなくなったと答えました。その人たちの31.9%は活動再開の予定が立っていないと答えており、参加していた人全体でみると約2割にあたります。 制度の面では、書面による総会が残りました。札幌市が2023年9月から11月に町内会長2,180人へ行った調査(1,085件回答、回答率49.8%)では、総会の参加状況について、コロナ禍をきっかけに書面開催になっていると答えた町内会が13.5%ありました。

やめた行事を戻すか、戻さないか

調査の自由記述には、戻す側にも、戻さない側にも、それぞれの理由が出てきます。以下は個々の町内会の声であり、どちらが多数かを示す数字ではありません。 戻したい、または戻さないと困るという声は次のとおりです。
  • 東京都の事前アンケート(2020年9月)には、活動を全部自粛すると町会や自治会の組織が弱まり、存続に関わるという心配の声がありました。
  • 岡山市の町内会アンケート(2021年6月から7月、1,204件回答)には、活動を再開するときの意欲と、運営のやり方の引き継ぎが心配だという記述がありました。
  • 札幌市の2023年の調査には、中止していた清掃や防災訓練を再開して顔見知りになる機会をつくることが、町内会への関心につながるという意見がありました。
戻さない、または選び直したいという声は次のとおりです。
  • 横浜市の2020年の調査には、活動を見直すために1年間の休止を選び、来年からは自分たちに必要なこと、やりたいことだけを選ぶという町内会がありました。
  • 同じ調査に、回覧がなくなっても住民は不便を感じていないので、再開するなら本当に必要なものだけを回覧か掲示にしてほしいという記述がありました。会合をやめてインターネットで話すことに大賛成で、コロナ後も続けたいという記述もあります。
  • 岡山市の調査には、行事が減るのはありがたいという記述がありました。東京都の事前アンケートにも、町会や自治会の活動を見直して本当に必要なものだけに絞りたいという記述があります。
横浜市の調査はコロナ前の活動についても尋ねており、縮小または廃止したいと答えた町内会は、夏祭りやバス旅行などの行事で3.2%でした。コロナ前は、やめたい行事を持つ町内会は少数だったことになります。コロナ後にこの割合がどう変わったかは、確かめた資料からは分かりませんでした。

考えるための問い

  • コロナ前から続けていた行事のうち、止まっている間に困った人が出たもの、誰も困らなかったものはどれでしょうか。浜区の場合はどうか、考えてみてください。
  • 見守りや回覧のように、人が集まらなくても続けられる活動は、集まる行事と同じ重さで考えてよいのでしょうか。
  • 再開しない行事を決めるとき、その行事が好きだった人、手伝っていた人、まだ参加したことのない人の声を、それぞれどう聞けばよいでしょうか。

出典

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